ぐいのみのおじさん |
お品のお包みに精を出していた昼下がり。以前もらった電話のことを思い出す。
声の調子からしてたぶん年配のおじさん。自分は長距離バスの運転手をしているのだけど、
ぐいのみがすきで、すこしだけどあつめていて、それで友人が“こんなのあるよ”っておたくの作品教えてくれて、
紙に印刷してくれたのを見せてくれたんだけども、
この曲がったところが実にいいとおもって、気に入っちまって思わず電話したんだ…。
ホームページというのもわからんし見れないんだけども、
それじゃ買えないかね?ぜひ買わせてもらいたい、帰ったら現金書留でお代金送るから…と。
その電話、運転の休憩中にしてくれている感じだった。
たぶんその友人さんが印刷してくれた紙を手に指差しながら。
じゃあうちに葉書ください、追ってこちらからもお手紙送りますので…
あれからどのくらい経っただろう。ポストに葉書はこないけど、
おじさん元気にしてるかな…ってときどき思い出す。
毎年まわりの葉が枯れてくると顔を出す、赤い実。
見つけて嬉しい気持ちにさせてくれる。朝日に照らされて綺麗だった。