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day&day::モノ作り・考

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モノ作り・考
主人はいつも「好きなことを仕事にしなさい。」と子供に言っている。
いや、生意気な息子は
「お父さんはすきなモノを作ってるだけで、お母さんがそれを仕事にしてるんでしょ。」
とぬかしますがね。(私もムカついている時はそう思うけどね。笑)
でも好きなことを仕事にするって、過酷。シビアだ。

「モノ作り人」のあり方というのはいろいろな形態があり、いろんな人がいる。
個人、文化人として名を馳せたいがための手段であったり、
心に波風たてたくないという心理からの修行的職業だったり、
賞をとる、またその世界で著名になり皆を率いる、が夢だったり
アーティスト的だったり、職人的だったり、
自己表現のひとつがたまたま仕事になっていたり。
作品の販売方法ひとつとっても、
ギャラリーに販売委託する、イベントに出展する、個展をひらく、
同業者同士でイベントを開く、直販する、オーダーメイドで作る.......
ざっと思っただけでも多種多様。

みな基本的には作ることが好きなのには違いないだろうが(ちがう?)、
その先があるかないかが、職業としてのモノ作りの大事な部分だ。

個人として作品を世に出し、気に入ってくださった方に買ってもらう。
そこには大きな喜びと同時に、大きな「責任」もある。
ぜんぶ自分にかえってくる。
それを自覚し、二本足で踏ん張って世の中に立っていかないと
食ってもいけないし、喜びも得る事はできない。
個人のモノ作りへの追求は、生半可な気持ちじゃ続けられないものだと思うのだ。

昔、スーツを着たり、作業着をきたり、保守的世界に入ったり、
いくつかの転職をくりかえした末、
ダンナは自分が社会に不適応な人間だと思い込み、腐って荒れていた。
モノ作りに出会い、独立の覚悟を決めてからも、
腕だけでは仕事にならないのはその当時なりに充分承知していた。
その上で格闘をしてきた。
自分ができる事を追求していった。
(家には苦悩がかいま見られる作品が山ほどある。オーパーツと呼んでいる。笑)
作ることに向き合いながら、
ネットを通じて(ネットは赤ん坊を抱えた当時の私達にとって必要不可欠なツールだった。)
最大限にお客さんと直につながり、気持ちを吸い上げ、
自分の腕でできることに精一杯取り組んできた。

でもそれはあくまで彼の歩んできた道。

キャリアを経てとどまっていれば腐ることを、彼はわかっている。
個人で責任をもって世の中と繋がるには、姿勢が何よりも大事だと思うのだ。
お客さんにも、自分にも、作品にも。



tama1.JPG

「胡楓堂」で彼は、
今まで10数年MWC.WORKSHOPで培ってきたのとは違うアプローチで
木を活かしたモノ作りに取り組んでいる。
黄楊を天然染料で染める、
仕上げの表情の付け方・磨き方の追求、
銘木の存在感の活かし方は驚きと発見がまだまだあり、
テーブルウエアや家具とはまた違う「装飾具」のモノ作りの喜びを
あらためて味わっているようだ。


脚色することもできる。仲間や世界に埋もれることもできる。
わずかながらの地位や肩書きやキャリアで覆うことも。




でも姿勢は作品に現れる。
その作品をキレイだといってくれる人が、
手にしてくださり、買ってくださり、使ってくださる。
そこに喜びと感謝の念が生まれる。
単純かもしれないが、このような社会との繋がり方を保つための努力を、
怠らずにいるのはたいへんなことだ。

先日胡楓堂のかんざしを買ってくださった方から、
「シンプルながら存在感のある簪。
この先の長い年月、私と一緒に年を重ねていってくれると思うと嬉しく思います。」
と言っていただいて、
とても感動している裕爾さん。


今のあり方には、今までの生き方、働き方が如実に現れる。
そしてそれは進化し、当然ながら形態もかわっていくはずだ。