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day&day::役割

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役割
震災から13日たち、
宮城のSさんからメールを頂戴しました。
ご無事でいてほしいと毎日祈っていましたので、
メールを頂いてなんと言うか言葉でいいあらわせないのですが、
安堵とも違う、感謝というか、
胸がいっぱいになり力がぬけ涙が溢れました。


多賀城市のSさんに家具をお届けするために
家族で宮城を旅したのはちょうど1年前でした。

Sさんにはそれまで何度もテーブルウエアをお作りさせて頂きました。
一昨年はご家族で、私達の長野の工房を訪ねてくださりました。
息子さんのご入学を控えた昨年3月末、ダイニングセットや学習机を
クロネコさんと二人三脚で、多賀城市のご自宅までお届けをさせていただいたのでした。

多賀城は快晴でした。きれいな空でした。
無事に家具達もお届けできて、皆様喜んでくださり、
美味しい笹かまぼこやお菓子とお茶を頂きながら、
「リモコンラックを自分でつくりたいんです!」というご主人様と
構造をあれこれ考えたりして楽しい時間を過ごしました。




ふと気をゆるめれば涙があふれてしまうという過酷な状況の中、
誤字ひとつなく、努めて冷静に、さまざまな状況を丁寧にご報告くださるメールでした。
目の前で起こった出来事を、今整理などできないはずで、
長文を記すのにどれだけの時間を費やしてくださったか。
Sさんや多くの方々が今も含めて体験している痛みを、
皆ができる限りこれからの力にかえていかなくてはと思いました。
いただいたメールはプリントアウトして何度も何度も読み返し、心に刻んでいます。

Sさんはたいへんな中、
「また机をお願いしたい、いつか」というお言葉をくださりました。
私達の役割に光をあててくださったようで、申し訳ない位ありがたい。
それを励みのひとつとしていただけるのなら、何でもさせていただきたい。



今、私達にご注文をくださる方々の意識が、
震災に大きく影響を受けていることも実感しています。
「これからの長い復興までの道のり。
あらためて日本の産業を見直す。
物を大切に使う。
心を寄せ合う…。
小林様のお仕事にも通じることかと思います。
どうか、お力をお貸し下さいませ。」
これはご実家が岩手で被災されたというお客さまからいただいたお言葉です。
メッセージがない方からのご注文にも
大切な人を案じ支え合いたい気持ちが溢れてきている気がしています。

もの作りにたずさわっている方の中にも、
その仕事の意味を自問せずにいられなくなっている方も多いのではないでしょうか。
胸をいためるばかりで、無力感に苛まれている方もいると思います。
今直接的にできることが限られていたとしても、
長く心を寄せることで、何か小さくても役に立てることがでてくるはずです。
ものを作り、届け、それが使い手の方との間に絆を産む道具となりえたら、
それは少しでも心の癒しになり、復興への道に繋がると信じていきたい。
今、お客様にそれを教えられています。